ウラルレムリアン水晶ブレスレットの物語 – 『透明な記憶』
舞台:長野県松本市・山間のアトリエ付き一軒家
主人公:遥(はるか/41歳/女性/陶芸家)
✨【序章】
山のふもとにある古民家に、
遥は一人で暮らしていた。
東京でのキャリアを手放してから5年。
彼女は静かに土と向き合い、
無心で器を作る日々を選んでいた。
けれど最近、何かが少しだけ曇っていた。
自分で選んだはずの静けさが、どこか“閉じて”感じられたのだ。
そんなとき、知人の紹介で手にしたのが、
ロシア・ウラル山脈産のレムリアン水晶のブレスレットだった。
ビーズは、どれもすりガラス状の優しい白に包まれていた。
“遠い記憶のやさしい光”のように感じた。
🌿【第一章:静けさの奥にあるもの】
ブレスレットをつけてから、眠りが深くなった。
夢のなかに現れる風景も変わってきた。
見知らぬ石造りの部屋に、
裸足のまま静かに立っている自分。
言葉も音もないのに、不思議と安心していた。
目覚めたあと、
「これが“沈黙の記憶”なんだ」と、
胸の奥で何かがふと解けた。
ウラルレムリアンのすりガラスのような質感が、
“見えないけれど確かにあるもの”を照らしてくれているようだった。
🌌【第二章:触れられない声】
ある朝、窯の前に立った遥は、
ひとつの器をそっと砕いた。
仕上がっていたが、
なにかが“ほんとう”ではなかった。
壊したとき、どこか懐かしい感覚が胸に走った。
「完成ではなく、誠実であること」
それは、東京時代に見失っていた感覚だった。
ブレスレットを握ると、
うっすらと細い条線が光に浮かんだ。
その一本一本が、自分の中の真実とつながっていた。
🪞【第三章:名前のない時間】
山に雪が降ったある日、
遥は、土を使わずに“空の器”をつくってみようと思い立った。
ろくろは使わない。
透明なレジンのなかに、ひと粒だけ
ウラルレムリアンの小さなかけらを沈めた。
「これは、“名前のない祈り”」
そう名付けて、窓辺に飾った。
そのとき、遠い風のような声が胸に響いた。
「あなたの静けさは、まだ終わっていない」
まるで、かつてどこかで交わされた約束を思い出すような瞬間だった。
🌠【エピローグ:透ける風景の中で】
いま、遥の手首には
ウラルレムリアンのブレスレットがある。
それは、語らず、ただ“そばにある”存在。
かつて、“閉じている”と思っていた静けさは、
実は“開かれる前の扉”だった。
すりガラスの奥には、
誰にも見えないやわらかな光が、
たしかに揺れていた。
レムリアの記憶は、
自分という存在の奥深くで、
今日も、透明なまま語りかけてくる。
🌈【この物語が伝えていること】
言葉にしないものが、
ときに、最も深く人の心を揺らす。
ウラルレムリアン水晶は、
“見えないけれど確かに在るもの”に触れさせてくれる。
それは、遠い星の記憶かもしれないし、
ずっと昔、自分と交わした約束かもしれない。
静けさの奥には、
かならず「始まりの光」が潜んでいる。
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