ロシア産フェナカイトの物語 – 『見つけたはずが、見つけられていた』
舞台:大阪市・心斎橋の天然石専門店
主人公:沙羅(さら/34歳/WEBディレクター)
テーマ石:ロシア産フェナカイト(原石)
✨【序章】
休日の午後、
ふと足が向いた心斎橋の裏通り。
「石屋さん?」と書かれた小さな看板に目が留まった。
普段、天然石にはそこまで興味がなかった。
けれどその日だけは、なぜか
“吸い寄せられるように”店のドアを開けていた。
小さなショーケースの奥――
ひとつだけ、他とまるで空気が違う石があった。
光っているわけでも、派手でもない。
けれど目が離せなかった。
店主が言った。
「それはロシア産のフェナカイトです。
最近、あなたみたいな人が不思議とそれを見つけるんですよ」
🌿【第一章:手にした瞬間】
気づけば、ケースが開かれていて、
沙羅はその白っぽい原石を手にしていた。
ひんやりとして、
けれどすぐに体温になじむ感覚。
そのとき――
頭の奥で“カチッ”と何かがはまった音がした。
気のせいかもしれない。
でも、思考がすっと静まった。
「なぜだか、これを置いて帰れない」
そう思った。理由は何もなかった。
ただ、深いところで“持って帰ることは決まっていた”としか言いようがなかった。
🌌【第二章:時計の狂い】
家に帰って、石をデスクの端に置いた。
触れていないのに、なんとなく“存在感”がある。
その夜、部屋の時計が10分ほど進んでいた。
正確なデジタル時計だったのに。
スマホと合わせ直したが、
なぜか“石のそばにいると時間が早く感じる”。
さらに数日後。
打ち合わせの前に時間が空き、
偶然入ったカフェで、出会った人物が
その後の仕事の転機となった。
「本当に変わるときって、
“自分から動いた感覚がない”ことが多い」
そんな感覚だった。
🪞【第三章:石の記憶】
その後も、
フェナカイトの原石は、
ずっと沙羅の生活の中で“黙って存在”していた。
ときどき眺めるだけ。
ときどき手の中で転がすだけ。
けれど、
何かを決断しようとするとき、
不思議と“答えを先に知っている感覚”になる。
「これは、未来のわたしからのメッセージなのかもしれない」
理由はわからない。
けれど、そうとしか思えなかった。
🌠【エピローグ:見つけたもの】
今では、沙羅にとって
そのフェナカイトは「お守り」ではない。
もっと“静かな共同体”のような存在。
「あのとき、石を見つけたと思っていたけど、
たぶん、見つけられたのは私の方だった」
そう気づいたとき、
フェナカイトの原石が、
静かに光ったような気がした。
🌈【この物語が伝えていること】
“なぜか惹かれる”
その感覚に、理由をつけなくてもいい。
あなたが石を見つけたのではなく、
石があなたを見つけたのかもしれない。
フェナカイトのような石には、
静かに未来の“配置”を動かす力がある。
買う理由なんてなくていい。
ただ、それを手にした瞬間から、
あなたの時間が、
少し違う場所へと動き出すだけだから。
コメント