ウラルレムリアンの物語 – 『見えない手紙』
舞台:京都市左京区・比叡山の麓
主人公:梢(こずえ/31歳/手製キャンドル作家)
テーマ石:ロシア・ウラル産レムリアンクォーツ(透明度の高い細長いポイント原石)
✨【序章】
秋の終わり、比叡山の麓にある古民家のアトリエで、
梢は一つの包みを開いた。
知人の石好きから譲り受けた“ロシアの水晶”。
細長く、透明度が高く、触るとひんやりしているのに、
胸の奥がふわっと温かくなる。
条線のなぞり跡に、どこか懐かしい感触を覚えた。
そして、ある“違和感”に気づく。
これは、“誰か”が前に使っていた感覚だ。
でもそれが、誰なのかはわからない。
🌿【第一章:音のない呼びかけ】
その夜から、奇妙なことが起き始めた。
アトリエのろうそくの炎が、無風でも時々ふわっと揺れる。
一人でいるはずの空間に、“空気の重み”が加わるときがある。
そして何より、
眠る前に石を手に取ると、決まって「誰かの声」が聞こえてきた。
「……大丈夫、まだ繋がっている……」
けれど音は出ていない。
“耳ではない場所”で感じていた。
🌌【第二章:レターのかけら】
ある日、ろうそくの芯を整えていると、
ふと、炎のなかに一瞬だけ“文字のような形”が浮かんだ。
読み取れたのは「ko」ではじまる文字列。
「これは……“こずえ”のこと?」
その瞬間、石が強く温かくなった。
そのぬくもりは、たしかに彼女の名前を知っていた。
まるで石の中に、誰かが長い間保管していた手紙が眠っていたようだった。
🪞【第三章:記憶の送り手】
調べていくうちに、その石が“記憶を記録する装置”のような使い方をされてきたと知る。
遠く離れた時空を超えて、“気持ち”を封じることができると。
「あなたはその“送り先”だったんですね」
ある日、石にそう話しかけてみた。
するとその夜、夢の中でこう囁かれた。
「ようやく、届いた」
「私のことを知らなくてもいい。ただ、次の人に渡して」
夢から目覚めたあと、
石の底に、小さな虹が差し込んでいた。
🌠【エピローグ:受け取る人】
今、梢はそのウラルレムリアンを、
新しく作ったキャンドルの中にそっと置いている。
“灯りとともに届けるために”。
「言葉にならない導きは、石を通して手紙のように届く。
それを感じられた私は、もう一人じゃない」
あのレムリアンは今も、彼女のアトリエで、
音もなく“何か”を届け続けている。
🌈【この物語が伝えていること】
ウラルレムリアンクォーツは、
まるで“記憶を届ける手紙”のような存在です。
そこに名前が書かれているわけではない。
でも、手にしたとき「自分のものだ」と感じてしまう。
それは、言葉を超えた“メッセージ”。
まだ出会っていない誰かが、
あなたのもとに“静かに想いを託した石”。
それを、あなたは受け取る準備ができていますか?
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