ウラルレムリアンの物語 – 『眠っていた名前』
舞台:兵庫県・神戸市北区
主人公:早織(さおり/38歳/小学校の図書司書)
テーマ石:ロシア・ウラル産レムリアンクォーツ(ポイント原石)
✨【序章】
祖母の遺品の整理中、
古びた小箱の中から見つけた、透明度の高い水晶。
側面には、はっきりとしたバーコード状の条線。
そして、底部には、まるで“誰かが彫ったような”三角の印。
「こんな石、見たことない」
調べてみると、それはロシア・ウラル山脈産のレムリアンクォーツと判明した。
けれど祖母がそれをどこで、いつ手に入れたのかは不明のままだった。
🌿【第一章:声にならない響き】
ある夜、
石を手に取り、条線に指を沿わせていると、
急に頭の中に音が響いた。
「…リ…ア…」
聞き取れない、でも確かに“誰かの声”だった。
驚いて手を離す。
でも部屋には誰もいない。
静まり返った空間の中、
その水晶だけが、不思議と温かく感じられた。
🌌【第二章:夢の中の記憶】
その晩、早織は夢を見た。
石の中に吸い込まれるような感覚のあと、
知らない景色が広がった。
高原のような場所、
空は金と桃色に混ざったような光で照らされ、
光の柱が大地のあちこちに立っていた。
誰かが彼女を呼んだ。
「リ…ア…あなたの名前を、まだ覚えています」
目を覚ましたとき、
枕元に置いた石が、
うっすらと白く曇っていた。
「…誰かの記憶だったのかもしれない」
そう思った。
🪞【第三章:消えていた記録】
不思議に思い、
再度、祖母の遺品を調べてみると、
古い日記の中に「レムリアン」という単語を発見した。
「あの石を手にすると、時々、名前を呼ばれるような気がする。
声にならない誰かの記憶。これは私のものではないけれど、懐かしい」
その日記は、1973年で止まっていた。
祖母は、40年以上も前にこの石を手にしていた。
そして、同じように“声”を聞いていた。
🌠【エピローグ:継がれた記憶】
今でも、早織はときどきこの石を手にする。
静かな夜に、
そっとその条線をなぞると、
ふっと呼吸が深くなる。
「これは、誰かの記憶の貯蔵庫。
でも今は、それを引き継いだ“私の記憶”でもある」
そう感じるようになった。
「もしかしたら私は、名前を思い出すためにこの石に出会ったのかもしれない」
そんなふうに、思えるようになったのだった。
🌈【この物語が伝えていること】
ウラルレムリアンクォーツには、
「何かを思い出させる力」があるのかもしれません。
それは、過去の記憶かもしれないし、
まだ出会っていない“本当の自分”の名前かもしれません。
この石は、ただの水晶ではなく――
「記憶を継ぐ存在」。
静かに、でも確かに、
あなたの中の深い“古層”に光を当ててくれます。
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