― 毎年、入手が難しくなっている理由とは ―

先日、ロシアの友人と久しぶりにメッセージを交わしました。
私が「この5年で、大きくて美しいフェナカイト原石が本当に少なくなった」と伝えたところ、彼からすぐに返事が届きました。
■ ロシア人バイヤーからのリアルな返答
彼の言葉をそのまま引用します。
“Every year difficult to find Astafiev quartz and Phenikite and other interesting stone.
Many people hunting for this material.
Many years everything closed mine.
People digging yourself. Mostly nothing to finding.”
(以下、意訳)
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アスタフィエフ水晶もフェナカイトも、毎年見つけるのが本当に難しくなっている
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これらの素材を狙う人が世界中で増えている
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多くの鉱山は長年閉山されたまま
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今は人々が自分で地面を掘って探している
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それでも「ほとんど何も見つからない」のが現状
■ フェナカイト市場の「本当の姿」
彼の言葉は、私が数年間ずっと感じていたことを裏付けていました。
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ロシア産フェナカイトは、年々明らかに供給が減っている
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良質な結晶は“出た瞬間に消える”レベル
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価格は上がり続けており、今後さらに上がる可能性が高い
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「大きくて透明な原石」は特に手に入らない
フェナカイトは「高波動」という言葉で注目されることが多いですが、
物理的な供給量の減少 という市場事情も、現在の価格高騰の大きな要因です。
■ ロシア人が語る「ハンター増加」という問題
彼が強調したのは、
世界中のコレクター・ディーラーがロシアのフェナカイトに群がっている
という点。

特に、アスタフィエフのような有名産地は「宝探し状態」になっており、
アスタフィエフというのは、あのウラルレムリアンの産地。
すでに水没して巨大な水たまりになっていて、その大きさはまるで湖のレベル。
でもここは湖じゃないんだ。
採掘跡の斬回に水がたまった場所。
現地の小規模ディガーたちが、雪解けの季節にわずかな望みを持って土を掘り返しています。
しかし彼によれば、
“Mostly nothing to finding.”
(ほとんど何も見つからない)
とのこと。
つまり、
これ以上、自然からの供給は期待できない段階に来ている
ということです。
■ 今手に入るフェナカイトは「過去に採れた在庫」がほとんど
現在市場にある美しいロシア産フェナカイトの多くは、
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過去に採れたもの
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個人コレクターが手放したもの
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古い在庫
が中心です。
つまり、
“新規の発掘がない”=これから増える可能性がほぼゼロ
という非常に厳しい現実があります。
だからこそ、
透明感・結晶の美しさ・大きさを兼ね備えた個体は、
今後ますます希少価値が上がっていくと思われます。
■ なぜロシア人バイヤーと仲良くしているのか
彼とはもう何年も前からの付き合いですが、
私が年に1回しか会わなくても、いつも一番に良い石を見せてくれます。
石屋同士の“ビジネスだけの関係”というより、
「価値の分かる人に渡したい」という気持ちが強い人で、
会話をするとその誠実さを感じます。
今回の言葉も、
ビジネストークではなく “本音の情報” に近いと感じました。
■ まとめ:フェナカイトの本当の希少性
今回のロシア人の言葉をまとめると、
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フェナカイト・アスタフィエフ水晶の新規採掘はほぼゼロ
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ハンターは増え続け、競争が激化
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自掘りしても「ほとんど何も見つからない」状態
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市場に出回るのは“過去に採れた石”がほとんど
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良質個体は年々確実に減っている
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希少性は今後さらに高まる可能性がある
という、非常にシリアスな状況です。
フェナカイトを長年扱ってきた身としても、
「今年もまた難しくなった」と実感するばかりです。



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