ロシア産フェナカイトの物語 – 『まだ行っていない場所の記憶』
舞台:北海道・函館 → 青森県・仏ヶ浦
主人公:七海(ななみ/28歳/旅好きの写真家)
テーマ石:ロシア産フェナカイト(原石)
✨【序章】
函館の安宿の一室。
旅の写真を整理していた七海は、
不意に“もう一度撮り直したい”という衝動に駆られた。
ただの風景ではなく、
「まだ行っていないのに懐かしい場所」を。
そんな言葉が心に浮かんだ。
「そんな場所、本当にあるんだろうか」
自問したその夜。
宿の共有ラウンジで出会った青年が、
小さな布包みを渡してきた。
「これ、君が持った方がいい気がするんだよね」
中に入っていたのは、
白く光を宿した、粗い原石――ロシア産のフェナカイトだった。
🌿【第一章:視えた海岸】
その夜、フェナカイトを握ったまま眠ると、
はっきりとした“映像”が夢に現れた。
崖の上から見下ろす、翡翠色の海。
白い岩が奇妙な形で連なっている。
風はなく、静かで、けれど何かが“呼んで”いた。
目覚めたとき、七海はすぐに地図を広げた。
北海道には、あんな場所はなかった。
けれど、津軽海峡を挟んだ向こう――
青森の北端、「仏ヶ浦」の写真が、それだった。
行ったことはない。
でも、夢の景色とまったく同じだった。
🌌【第二章:波の声】
七海はフェリーで本州へ渡り、
数時間のバスと徒歩を経て、仏ヶ浦に着いた。
誰もいない午後の海岸。
風は緩やかで、
潮の匂いと、岩の存在感だけが圧倒的だった。
フェナカイトの原石をポケットから取り出し、
掌にのせたその瞬間、
耳鳴りのような“波とは違う音”が聞こえた。
「ここは、前にも来た。
忘れたけれど、知っていた場所」
そんな言葉が、心のなかに流れ込んできた。
自分の過去なのか、
別の命の記憶なのか、
ただの幻想なのか。
でも七海は、確かに泣いていた。
🪞【第三章:記憶の粒】
その後も、彼女はしばらく仏ヶ浦に滞在した。
写真はたくさん撮った。
けれど、投稿はしなかった。
「誰かに見せるためじゃない」
この場所は、自分にとって“思い出すための場所”だった。
フェナカイトは、
その滞在の間、
ほとんど常に彼女の手の中にあった。
不思議なことに、
あの石は日ごとに、
手になじむようになっていった。
🌠【エピローグ:旅の再起動】
数週間後、東京のアパートに戻ってきた七海は、
あの原石をデスクに置いた。
ふと気づいた。
仏ヶ浦で感じた“不思議な安心感”は、
いつも「どこかに戻ろう」と思っていた自分に対する答えだったのだと。
「戻る場所なんて、最初からなかった。
でも、“行ったことのある未来”なら、これから選べる」
それが、石が教えてくれたことだった。
【結晶評価】
💎 結晶名:旅記の原石(Stone of Traveled Memory)
🪐 発光色:翡翠白(Pale Jade)+海霧銀(Sea Mist Silver)
🌌 特徴キーワード:記憶の回帰・旅の予感・導き・懐かしい未来・知らない記憶
🌈【この物語が伝えていること】
石に“呼ばれる”という体験は、
ただの偶然ではないのかもしれない。
それは、あなたの中に眠っていた、
まだ訪れていないけれど知っていた場所――
つまり、「思い出される未来」への扉かもしれない。
ロシア産フェナカイトは、
行くべき場所と、
思い出すべき記憶を、
不思議な形で重ね合わせてくれる。
そして私たちは、
その導きの中で、
本当に“自分の旅”を再起動していくのだ。
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